院の外を掃除していると、たまにアスファルトの隙間に草花を見つけます。掃除のために抜きますが、しばらくするとまた同じところに生えてきます。いつも元気に生えてくる彼らの生命力の凄さに感心します。

草花は水と太陽光と二酸化炭素という3つの条件が揃うことで、エネルギーを産生し生きています。彼らは一生懸命努力して成長しているわけではありません。早く成長しろと叱ったから成長するわけでもありません。条件が揃えば勝手に成長するようにプログラムされているのです。都会のど真ん中の溝の隙間からでも生えてきます。条件が揃えばどんな場所でも咲くのです。彼らはどこで咲こうと文句は言いません。また、何でこんなところで咲いているのだと、文句を言われることもありません。誰にも見られていなくても、草花はただ草花のようにそこに咲いているのです。

草花の形や大きさ、色は様々です。集団で茂っていることもあれば、ひとつだけ咲いていることもあります。そこには優劣も差別もありません。他に遠慮することなく、邪魔をすることもありません。落ち込んで気を病むこともないでしょう。それぞれが個性を十分に発揮し、個性が集まることで全体を形成しています。これが自然の本質というものです。

「草花」を「私たち」に置き換えると、人生の生き方も見えてきます。生きていると様々な困難に出会い悩みます。しかし、雑念に惑わされることなく、彼らのように自分の生き方ができれば素晴らしいですね。