森羅万象にはプラスとマイナス、SとNのように相反するエネルギーが必ず存在します。発信と受信もそのひとつですが、順番があります。例えば動物界を見てみましょう。ライオンは狩りをするとき、必死で走って獲物を追いかけます。相手も死に物狂いで逃げます。つまり獲物を捕らえるためには、まず自分が追いかけなければならないのです。ここに物事の本質が隠されています。何事もまず行動を起こすこと、つまり発信することが最初に必要なのです。行動があって初めて獲物を捕まえること(=受信)ができるということです。これは逆もしかりで、発信しないと受信もできないわけです。

 社会レベルでも同様です。企業は設備や広告宣伝、営業活動に人・物・資金・時間というエネルギーを投資(=発信)し、あとで利益を回収(=受信)します。恋愛でもまず告白しなければ恋人にはなれません。結果はどうあれ、相手に気持ちを伝えることが重要だというのはこの法則から明らかなのです。

 健康においてもこの法則から逃れられません。筋肉活動によって細胞のミトコンドリアがATP合成を行い、それが身体のエネルギーとなり、日々の生活やケガの治癒に使われます。医師が「運動しなさい」と口酸っぱく言うのは、まず運動(=発信)することが健康の基本だからです。何かを食べたり飲んだりすることで健康になるのではありません。まず運動が先なのです。仕事や運動してエネルギーを消費したからご飯を食べるのです。食べたから運動してカロリー消費をするのは考え方が逆です。年齢を重ねると夜眠れないというのは、日中の活動量が減ったからです。クタクタになるまで働けば夜もぐっすり眠れます。 まず何事も発信することが大切です。受信は結果として自然についてきます。それがエネルギーの本質です。物事が上手くいかないときはこの順番を間違えていることが多いのです。