北京オリンピックをテレビ観戦している患者さまが「どの選手も同じ眼をしていますね。」と感想を聞かせてくれました。なるほど!確かにその通りで、国や性別競技に関係なくすべての選手たちには共通した眼差しがあります。出場している選手は世界のトップクラス。才能と環境に恵まれ、さらに誰も真似できない努力を毎日重ねている。自分の人生をその競技に捧げ、その眼からは「強い願望」「強靭さと純粋さ」「揺らぎない信念と自信」などが強烈に伝わってきます。これらが大きなエネルギーとなり、眼差しとなって注ぎ込まれるのだと思いました。
「目は心の鏡」とは孟子の言葉です。目はその人の心を映し出す鏡のようなものだから、その人の心のさまが読み取れるという意味です。まさに目を見るだけで、アスリートの心がすべて伝わってきます。人としての美しさとはここにあるのではないでしょうか。だからトップアスリートの闘いは世界中の人を惹きつけるのです。
このような記事を出しながら、一方で私も鏡で自分の目を見てどうなのかと考えると気恥ずかしくなります。開業した当初の純粋な気持ちと澄みきった眼差しはどこへ行ったのか?長い経験がそうさせたのか・・・今一度、原点に戻る必要があると思いました。