この宇宙には私たちの知らないことがまだたくさんあります。そのひとつが、この宇宙空間の9割以上を占めるダークマター(暗黒物質)とダークエネルギー(暗黒エネルギー)。ダークマターは宇宙の所々に塊で存在し、見えないのに重力を持ちます。銀河は回転しており通常の物質の質量だけだとバラバラに飛散してしまいます。そうならないようにダークマターが銀河をつなぎとめているのです。一方、ダークエネルギーは宇宙全体に均等に分布していて、宇宙が膨張するスピードをどんどん速くする力を持っています。これらは電磁波での観測では見ることができないため、”ダーク(暗黒)”という名がついています
最新の観測では、「ダークエネルギー68%、ダークマター27%、元素5%」の割合で作られていることが判明しました。この比率は様々な方面から研究を重ねた結果、すべて一致したそうです。宇宙の質量のうち,明るく輝く星や地球や月など,私たちが“見る”ことのできる物質は,宇宙全体のわずか5%の質量にしかならないのです。人間は「地上の支配者」として動物に君臨し、思い通りに何でも産み出し謎を解明できるのだというのは思い上がり。私たちは何でも知っているようで何も知らないのです。科学者も研究すればするほど「何も分かっていないことが分かってきた。」と気持ちがいいほど素直に認めています。
世界は人間の理性や知性だけでは説明できるものではなく、宇宙の不思議な力で私たちは生かされているという側面を決して忘れてはならないと思います。それを忘れずに奢ることなく謙虚に日々を生きていくことが大切ではないでしょうか。