いつでもどこでも簡単にできる、リラックスの呼吸法をご紹介します。

呼吸は胸式呼吸と腹式呼吸の2種類があります。胸式呼吸は息を吸い込んだ時に胸が膨らみます。例えば、走ったあとハアハア息が切れますが、そのときの呼吸が胸式呼吸です。腹式呼吸は胸式呼吸と違い、おへそが上下します。どちらも同じ呼吸ですが、腹式呼吸のほうがより心身を落ち着ける効果があります。

腹式呼吸は胸式呼吸よりも横隔膜がより上下に動きます。横隔膜を意識的に動かすことで、自律神経のバランスを整えることができます。頭痛や食欲不振、便秘、足の冷え、むくみなどの症状に効果的です。また、横隔膜と一緒に、胃や腸も動くのでマッサージ効果で内臓の働きがよくなります。

腹式呼吸を行うと、脳にセロトニンという物質が分泌され、α波が出ます。それによって精神が安定し、神経を集中させられます。古来から伝わるヨガや座禅には必ず腹式呼吸が取り入れられています。それは腹式呼吸が体を整える基本だということが、経験的にわかっているからです。文明は進化しても健康の基本は変わらないのです。

現在分かっている「腹式呼吸による生理学的な効果」

①免疫力アップ
②心拍数減少による血圧降下作用
③横隔膜のストレッチ効果による内臓のマッサージ
④肺機能が高まる
⑤セロトニン分泌増加による不安、緊張の解消
⑥副交感神経の活性化により消化、吸収、排泄のリズムが整う
⑦中性脂肪沈着による動脈硬化や動脈瘤の予防

物事に入る前に行うと、頭がスッキリして集中力が高まりまることから、仕事や勉強の前、家事を行う際にするとよいでしょう。

職場の休憩時間や、駅のホーム、通勤電車の中、ちょっとした空き時間があるときにすぐにできます。日々の忙しい中に、1分間の腹式呼吸をとりいれてみてはいかがでしょうか。

腹式呼吸の手順


①座りながら、または立ちながら、鼻から大きく息を吸っておなかに空気を貯めます。おへそが前に出るように、お腹を膨らませます。
②そのとき、空気が全身、手足の先まで行き渡っているイメージをしながら吸います。
③吐くときは、吸ったときに倍以上の時間をかけてゆっくり口から吐きます。
④5回繰り返します。