交通事故の治療で40代男性が来院しました。中央線をオーバーした対向車と正面衝突し、頚部を捻挫。半年以上も病院でリハビリを受けましたが、痛みが改善されません。一計を案じた私がしたことが「押し相撲」。お互い向き合い、両手を相手の脇に入れて患者さんに私を押してもらいます。男性が全力を出さないと動かないように私も加減します。狭い院の中、息が荒くなるくらい本気で5回押してもらいました。すると、「あれっ!首も背中も痛くない!!」と驚きの声を上げました。結局3回の来院で終了。なぜすぐに症状が消えたのでしょう。
男性の痛みの原因は「追突されたエネルギー」の残存。押し相撲で逆に「押し返すエネルギー」を作り、相殺することで痛みも消えたのです。エネルギーとはどのようなことでしょう。例えば、誰かに怒られたあと、暫く気持ちが落ち着きません。落ち込んで気持ちが滅入ります。その人は目の前にいなくても「怒られたエネルギー」は残っているからです。しかし、怒られたときに言い返すことができれば、ショックは軽減されたはずです。自分の意見を言えたこと、これが「押し返すエネルギー」なのです。
このメカニズムは様々な症状に対応できます。肩を捻挫したハンドボールの選手にも応用しました。この選手は試合でディフェンス中、右腕を上げた際相手とぶつかり腕が後方へ強く引っ張られました。つまり後方へ押されたエネルギーが肩に残っていたために4ヶ月間痛みが続いていたのです。彼女にしてもらったことは「右腕で壁を全力で繰り返し押す」。前方へのエネルギーを作ってもらったのです。彼女に壁を押してもらったあと、肩を廻してもらうと痛みがありません。彼女の「あれ!!」と驚いた表情は今でも覚えています。
たまに男性の患者様と「押し相撲」をします。お互い向き合い、両手を相手の脇に入れて押し合います。私は細く見えますがアメフトをしてたので、そう簡単には押されません。相手が全力を出さないと動かない程度に私も加減します。本気で5回くらい押し合うと息が荒くなります。初めはみなさん押し相撲と聞いて怪訝な顔をしますが、終えると不思議と痛みや凝りが消えて「スッキリした!!」と仰います。
なぜスッキリしたかというと、力というエネルギーを出すことができたから。私たちは社会人になると運動量が減ります。代謝が高い体内は急に運動量が落ちると調子が悪くなります。それは不況で人や物、お金の流れが滞ると社会情勢が悪化するのと同様です。少しでも全力を出すことで流れが良くなるのです。 歯を食いしばるほど力を出す機会は普段の生活にはありません。全力を出すとこんなに心身が違うのだと体感して欲しいのです。私もいつまでできるか分かりませんが、トレーニングを積んでみなさんに負けない体を作って行きます。男性限定ですがご希望の方は是非仰って下さいね。
話が大きくなりますが、宇宙(世界)はビッグバンという爆発的膨張のエネルギーから始まりました。エネルギーから考えることが本質です。世の中には様々な施術方法がありますが、このようにエネルギーの視点から考えると解決策が見えてくることもあるのです。