ゼロの概念
“ゼロ”は何もない、存在しないことではなく、「ゼロという状態が世の中にある」ということ。この定義をしたのはインドの数学者で、世紀の大発見と言われています。それまでは、まったく何もない「無=0」の状態は必要とされず、1~9までしか存在しなかったのです。
仏教では古くからゼロという状態、つまり「この世は実体がないもので成り立っている」という考え方がありました。目の前に「すき焼き」があると想像してみてください。鍋の中は、牛肉・豆腐・春菊・葱・白滝などがぐつぐつと煮えてとても美味しそうです。しかしすき焼きは、それぞれの材料ひとつひとつだけではすき焼きとは言えません。牛肉は牛肉だし、豆腐は豆腐です。当たり前のことのように思えますが、これは「すき焼きという料理が、すき焼きでない物の集合」で成立していることを示しているのです。
これは量子力学の世界でも同様です。この世のあらゆる物を最終分割したいちばん小さな粒を「素粒子」と呼んでいます。私たちの世界を構成しているすべては、この素粒子の組み合わせでしかないのです。はるか昔からある仏教と量子力学が同じ考え方をしていることに驚かされます。形はあるのに実体が無い、これが森羅万象の法則なのです。
病名は人間が便宜上定義した実体です。自然界の法則ではありません。量子力学者には病気という概念はないそうです。「病気がない!?」と聞いてどのように感じるかは皆さんの自由です。私は実体を否定するつもりはありません。しかしこのような世界が存在することを頭の片隅に置いておいておいて下さい。
ゼロの習慣
森羅万象すべての事象は周波数(=波動)で現すことができます。その伝わり方を図で示すと波のように上下にうねる波形(はけい)が現れます。波形の真ん中に直線を引くと、上下、+と-、黒字と赤字、呼息と吸息、昼と夜というように全ての現象を当てはめることができます。
直線をゼロとすると、何事も一旦ゼロに戻ることが本質であると図から分かります。例えば一日中太陽が沈まないとどうなるでしょう。生命は現在のように繁栄しなかったでしょう。睡眠をとらず休みなく働き続けると必ず倒れてしまいます。当たり前ですが休息は必要なのです。
ゼロに戻す習慣があると何事も永続します。定期的に整備すると機械や建物は長持ちします。企業の月予算編成や小売店の棚卸も数字を見直す(=ゼロにする)ということです。体も一日の疲れをその日のうちにゼロに戻し翌日に残さない。これができれば病気せず健康に過ごすことができます。週に一度の休日や、ゴールデンウイークの連休や盆休みもゼロにすることに一役買っています。
大切なことは、忙しくても一日の中にゼロに戻す習慣を作ること。わずか5分のお茶の時間でも構いません。頭を空っぽにして入浴したり、就寝前のストレッチでもいいのです。心身ともに「スッキリした!」と感じる時間を作るのです。私が毎年宮古島に訪れるのは、年に一度ゼロにするためです。「ゼロに戻す」これも健康の知恵なのです。